******** 第23回「宇宙ニュートリノ」研究会********

日時:2010年 2月 9日(火)  午前  10:00から
場所:東京大学宇宙線研究所6階 大セミナー室



今回のテーマは「1-3角」です。

今や標準模型の他のパラメターと同格の地位を占めている
MNSフレーバー混合行列の要素の内、唯一未知の混合角です。
また、この後に最後に残されるレプトン小林・益川位相の決定
への道筋を明らかにする混合角でもあります。さらに、最近では
既存の実験データの解析や稼働中の実験から、1-3角の有限性を
示唆する兆候があることも指摘されています。また、今年は
1-3角測定に関する新たな実験が本格的に始まることも期待されます。

神岡宇宙素粒子研究施設の池田さんにSKを含む太陽ニュートリノと
KamLANDの観測の現状をまとめていただき、話題になっている、これらの
実験からのtheta_13に関する制限について話していただきます。

1-3角に関しては加速器実験、原子炉実験の二つの測定方法があり、
それぞれの実験が稼働中、ないしは近日中に稼働を予定しています。
1-3角測定加速器実験で稼働中のものは日本のT2Kが唯一です。
KEKの柴田さんにT2K実験の現状についてお話いただきます。

原子炉による1-3角測定実験については世界的に3つの計画がありますが、
この内最も早い発進が予定されているDouble Chooz実験を中心に
原子炉実験の現状について、新潟大学の川崎さんにトークをお願いしました。
両実験ともに始ったばかりの興奮が伝わってくるリポートになると
期待されています。

広い意味で関連したニュートリノに関する理論のトピックスについても
埼玉大学の小池さん、九州大学の渡辺さんにトークをお願いしました。

なお、関連するテーマで講演は締め切りました。
      


プログラム:

10:00 - 10:05 はじめに
世話人
10:05 - 10:50 「太陽ニュートリノ+KamLANDの現状とtheta_13」 [PDF]
池田一得 (宇宙線研)
10:50 - 11:35「T2K実験の現状」
柴田政宏 (KEK) [PDF]
昼食
13:00 - 13:45 「Double CHOOZ 概要およびその準備状況」 [PPSX]
川崎健夫(新潟大)
13:45 - 14:30「非一様物質下でのニュートリノ振動におけるパラメータ励振」
小池正史(埼玉大学) [PDF]
休憩
14:50 - 15:35 「高エネルギーニュートリノでさぐる新物理」 [PDF]
渡辺篤史(九州大学)
15:35 - 16:05 「離散対称性を用いたθ_13の予言」 [PDF]
石森一(新潟大学)



旅費補助、交通、他:
   
研究会世話人:
ICRR宇宙ニュートリノセンター 梶田隆章
首都大 南方久和
新潟大 谷本盛光