研究
スーパーカミオカンデ実験
スーパーカミオカンデ検出器は高さおよび直径が約40メートルの世界最大の水チェレンコフ検出器で、岐阜県神岡町にある池の山の地下約1000メートルに設置されています。1996年に建設されて以来、太陽ニュートリノ、大気ニュートリノ、加速器ニュートリノ、超新星ニュートリノ、核子崩壊などの研究に大きな成果を挙げてきました。
当センターのメンバーは、主に大気ニュートリノや核子崩壊の研究についてスーパーカミオカンデ実験の研究グループに参加し、総合的なニュートリノ振動の研究などで成果を挙げてきました。今後は、大気ニュートリノでニュートリノ質量構造の階層性の解明などを目指し、解析方法の改良とともに、スーパーカミオカンデ実験の将来計画であるハイパーカミオカンデ実験にも参加します。
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T2K実験
T2K実験は茨城県東海村にある大強度陽子加速器施設(J-PARC)で生成されたミューニュートリノビームを、295キロメートル離れたスーパーカミオカンデ検出器にて測定を行い、ミューニュートリノ消失現象、および13角とよばれる振動パラメータによる電子ニュートリノ出現現象を通して、ニュートリノ振動の詳細測定を行う実験です。ナローバンドと呼ばれる低エネルギー側で強いフラックスをもつビームにより、高エネルギー領域でのハドロン生成によるバックグラウンドを抑えることができ、電子ニュートリノ出現現象の測定感度が高いのが特徴です。
当センターのメンバーは、スーパーカミオカンデ検出器で観測される事象を解析する研究グループに参加しています。また、電子ニュートリノ出現現象などのニュートリノ振動解析も行い、多くの貢献しています。
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ハイパーカミオカンデ実験
スーパーカミオカンデ検出器を用いた実験を通して、ニュートリノにおける多くの発見がなされて来ました。しかしながらまだ全貌を解明したとは言えません。特にT2K実験や原子炉ニュートリノ実験によって13角の存在が確定された現在、レプトンにおけるCP(電荷パリティ)非対称性測定の実現性が高まり、その測定が素粒子物理学における重要な課題になりました。ハイパーカミオカンデ検出器は、スーパーカミオカンデの約25倍の有効体積により、ニュートリノ振動をさらに精度良く測定することにより、スーパーカミオカンデ実験での研究を受け継ぎ、さらに発展させることが期待されている将来計画です。
現在ハイパーカミオカンデグループでは、検出器のデザイン設計やシミュレーション研究などが進んでいます。当センターもハイパーカミオカンデ実験に参画し、検出器の性能を左右する重要なアイテムである光センサーの開発研究などを精力的に行っています。
大学院進学を考えている学生の方へ
宇宙ニュートリノ観測情報融合センターでは上記のニュートリノに関する実験を行っています。興味を持たれた学生の方はセンタースタッフ(伊藤、奥村)までお問い合わせください。
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