特定領域研究「ニュートリノ」都立大・新潟大計画班
宇宙ニュートリノ観測情報融合センター　共催

第１３回研究会
　　　　　　　日時：２００３年５月２２日（木）午前１１時ー
　　　　　　　場所：宇宙線研究所（柏） 大セミナー室

今回のトピックスは

「宇宙背景放射観測の描く宇宙像」です。

近年の宇宙観測の進歩、特にここ数年間の急速な進展は目覚しいものがあります。
宇宙論的な距離測定に革新をもたらしたIa型（炭素爆燃型）超新星を使う方法に
よる観測結果はブーメラン、マキシマ、ダシ等の背景放射を通じた宇宙音波観測
と相まって、平坦な時空の中にダークエネルギー７割、ダークマター３割弱が
つまっているという我々の常識を越えた驚くべき宇宙の姿を開示してきました。
この新しい宇宙像は極く最近その最初の１年間の観測結果を公表した宇宙背景
放射観測衛星WMAP（Wilkinson Microwave Anisotropy Probe）の結果によって
疑う余地のないものになったといわれています。

宇宙の大部分が我々の知らない物質（ダークマター）と負の圧力をもつ未知の
力学的実体（ダークエネルギー）によって構成されていること、宇宙膨張を記述
する時空の構造がインフレーション宇宙論の予言するものであったことなどの事実
は宇宙物理の分野に留まらずより広い物理学の諸分野に大きな問題を提起しています。
また、WMAPグループによって得られたニュートリノ質量の絶対値に対する上限は
これまでのどの地上実験で得られたものよりも厳しいものとなっています。

今回の研究会では福来さんに包括的な講義をお願いしました。我々素人相手である
ことを十分理解していただき、入門的講義という性格のものにしていただけると
期待しています。時間１時間となっていますが、「どんな質問にも全て答える」
とおっしゃっているので、午前中を全部使っていただくことにします。研究会では
この他にニュートリノを含む素粒子物理へのインパクトやこの立場からみた意義等
（川崎、金子）時間変化する物理定数をもつ宇宙論（千葉）、日本での観測計画
（服部）についての講演を予定しています。


プログラム
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午前：１１：００ー１２：３０

  「WMAPの結果とそれの意味するもの」
       福来正孝（ICRR）（１時間＋質問）              [pdf]

午後：１３：３０ー１７：００

  「WMAPの結果とInflation宇宙モデル」
       川崎雅裕（東大ビッグバンセンター）（１時間）  [pdf]

  「WMAPのニュートリノ質量上限が意味すること」
       金子悟 （新潟大物理）（３０分）               [pdf]

           coffee break（３０分）

  「物理定数の時間変化と宇宙論」
       千葉 剛  （京都大物理）（４５分）             [pdf]

  「CMB観測の今後及び、東北大学３Kプロジェクトについて」
       服部 誠 （東北大天文）（４５分）              [pdf]

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○　参加費用： 無料

○　宇宙線研への交通について：

以下のホームページをご覧下さい。
http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/traffic/index.html

○　宿泊／旅費補助について：

     今回の研究会について、旅費希望者の方については、宇宙線研究所の
研究員等旅費または科研費特定領域研究から支給します。
旅費補助および東大柏キャンパスの共同利用宿舎での宿泊が必要な方は、
宇宙ニュートリノセンター秘書福田蓉子さんまで申し込んで下さい。

申し込み先； yoko@icrr.u-tokyo.ac.jp
なお、申し込む際、以下の情報を記入して下さい。

＊共同利用宿舎での宿泊希望の場合
氏名：
所属機関：
身分：
宿泊希望日：
到着時刻（時刻によって鍵の受け取り方が変わります）：
共同利用宿舎が満室の場合に柏駅周辺のホテルの紹介希望の有無：

＊旅費補助を希望される場合、上記に加えて
旅行日程：
東大での銀行口座登録の有無：

なお、旅費希望の方で東大に銀行口座登録がない場合には、口座登録をして
いただく必要があります。登録書式をお送りしますので、FAX番号を
必ず明記して下さい。

自分で旅費をお持ちの方は、そちらの旅費でお願いします。


宇宙ニュートリノセンター　 梶田隆章
特定領域研究 都立大計画班　南方久和
 　　同      新潟大計画班　谷本盛光